高齢者貧困って知ってますか?
皆さんは高齢者貧困って聞いたことありますか?
日本で取り上げられる貧困問題は主に「子供の貧困」や「ホームレス」などの問題が取り上げられていますが、最近では「高齢者の貧困」も大きな問題になっています。
今回は「誰ひとり取り残さない世界を実現する」のための共通目標であるSDGsの視点から、日本の高齢者貧困問題について現状の課題と解決の取り組みについて取り上げていきます。
目標1 貧困をなくそう・目標5 ジェンダー平等を実現しよう
貧困にはさまざまな側面があるため、定義や用いられる指標はたくさんありますが、ここでは「相対的貧困」を指標にして考えていきます。相対的貧困とは、ある地域社会の大多数よりも貧しい状態を示し、世帯所得が全世帯の中央値の半分未満である人の比率を示しています。
令和元年厚生労働省の国民生活基礎調査では、貧困線(等価可処分所得の中央値の半分)の数値は 127 万円となっており相対的貧困率は15.4%となっております。国民全体の約6人に1人が相対的貧困に当てはまる状況です。
そして中でも貧困率が高いのが80歳以上の高齢者です。その割合は27%となっており約4世帯に1世帯が貧困状態に陥っているということになります。
しかし男女別に見ると大きな特徴があります。80歳以上の男性の貧困率が19.5%に対して、女性高齢者の貧困率の割合は28.8%となっており、10%以上もの差があることがわかります。
この背景として、女性は雇用形態が非正規雇用の割合が多く、十分な貯蓄ができないこと、年金が不十分であること、結婚の有無で生活レベルが大きく変わる事などが挙げられます。
3すべての人に健康と福祉を
また、今後の社会情勢の変化により貧困問題は複雑化します。それが2025年問題です。
2025年問題とはは第一次ベビーブーム(1947年~1949年)の時に生まれた、”団塊の世代”が後期高齢者(75歳)の年齢に達し、医療や介護などの社会保障費の急増が懸念される問題を指します。2025年には後期高齢者人口が約2,200万人に膨れ上がり、国民の4人に1人が75歳以上になる計算です。
それによって医療費や介護費が増大し、老老介護や家庭内介護の増加・また年金支給の年齢引き上げ・支給額の減少なども挙げられ、より高齢者の貧困問題は複雑化していくと予想されています。
私たちにできること
このような膨大な問題を目の前にして、果たして私たちにできることはあるのかと考えてしまいますが、私たちだからこそ出来ることがあります。それは身近な高齢者と繋がりを持つということです。
NPO法人 ほっとプラス代表理事の藤田孝典さんは、地域や家族・友人との繋がりが疎遠になり相談出来る人がいない状況、つまり「つながりの貧困」が貧困問題の最も大きな課題であるといいます。
近所の高齢者への挨拶や声かけ、地域イベントへの参加などを通して、関係性を育むことが「誰ひとり取り残さない」世界の実現につながるかもしれません。
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