SDGs開発目標11.住み続けられるまちづくりをNo. 665

消費・廃棄の雨は止む?ビニール傘と環境問題

みなさんは、世界で最も傘を消費し廃棄する国は日本だということを知っていますか?  

もちろん多雨地帯に位置する国なので仕方がないことですが、わたしたちは年間で約13000万本以上の傘を消費していると推定され、そのうちビニール傘は約6割という割合。 
(参照:日本洋傘振興協議会  

そしてビニール傘1本あたりのプラスチック資源量は約265g 
CO2換算するとおよそ692gものCO2が排出、年間計算だと約6万トンにもおよびます。  

さらに、ビニール傘はさまざまな素材でできているのでリサイクルが困難です。  

生地には塩化ビニールが使われていて焼却がむずかしく(ダイオキシン発生を避けるため)、また強力な接着剤が使用されていたり、分別自体が複雑なこともあり、不要になったあとは未処理のままか埋め立てがほとんどということ。  

エシカル消費者としてできること  

いまや、ビニール傘はペットボトルやレジ袋などに並ぶ使い捨ての象徴…  

100円ショップやコンビニなどで安価ですぐ手に入るからといって、​​ 
「使って不要なら捨ててもいい」「失くしてもまた買えば良い」という意識のままだと、傘の廃棄問題はこれからも改善されることはなく、サステナブルな未来とは程遠い現実です。  

そこで、​​エシカル消費者として意識を変えるいくつかの取り組みや解決策をピックアップしてみました!  

1.お気に入りの傘を選ぶ 

ビニール傘をずっと大事にしよう!という気持ちはなかなか湧きにくいものです。 
ですが、自分の好きなデザインの傘やちょっといいお値段の丈夫な傘を持ってみることは傘の廃棄量を減らす方法の一つ。 
お気に入りの物やいいお値段がする物って、なくしたくないし、長く愛用したい気持ちがわきますよね。 
さらに傘は、靴や衣類と同じように修理が出来ます。壊れたからといってすぐに捨ててしまわず、修理して長く愛用することが可能です。 
ぜひ、お気に入りの傘を一本持ってみませんか?  

2.折りたたみ傘を持ち歩く 

最近だと約100gなど超軽量でコンパクトな折りたたみ傘が多くのメーカーから発売されています。水筒などよりもかるいものなら、普段から1本かばんに忍ばせておいてもまったく負担にはならないでしょう。 
ゲリラ豪雨など、急に雨が降ってもわざわざ購入する必要はありませんね。  

3.傘のレンタル、シェアサービスの利用 

「傘のレンタルシェアで、使い捨てと焼却時のCO2排出量の削減につなげたい」という想いから、2018年よりサービスが開始された「アイカサ」。 
スマートフォンアプリから登録し、24時間110円ですぐにレンタルできます。 
いまや全国に広がり、駅やオフィスビル、大学構内などに設置されたスタンドから手軽に傘を借りられ、アイカサスポットがあればどこにでも返却可能! 
丈夫なつくりで、同じような質の傘を買うよりもお得です。 

公式サイト:アイカサ | 傘のシェアリングサービス  

わたしも実際にゲリラ豪雨に遭い、それでも移動しないといけない状況で駅に設置されたアイカサを利用したことがあります。 
家には傘は幾つかあるし買いたくないけど必要…そんな人にはとても理にかなった便利なサービスだなと感動しました。  

安価で手軽なビニール傘は便利な一方で、環境への負荷は大きいです。  

現在、国内外でプラスチックストローの廃止やプラスチックレジ袋有料化など、脱プラスチックへの意識が高まる中で、ビニール傘の問題ついてもわたしたちは真剣に考える必要があります。  

エシカルな消費者として、折りたたみ傘を持ち歩くことや、レンタルシェアサービスを積極的に利用することなどをぜひ考えましょう。 

フランスの小さな町に住んでいます。 関心ごと:衣食住におけるエシカル消費、環境問題、ゼロウェイスト、食にまつわる取り組み、社会問題

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